工法について

ケンファイター

セーフティークライマー工法とは

安全・迅速・経済的

セーフティークライマー工法(SCM)は、危険な高所作業や急斜面の切り崩し、整形、段跳 (だんばね) 、既設モルタル取壊し、法枠ブロック取壊しなどで、リモコン操作による高所無人掘削機「ケンファイター」を使用することで安全・迅速・経済的に作業を実現します。

■セーフティ(安全)遠隔操作による高所無人掘削機で安全
■迅速・工期短縮斜面を縦横移動、360度旋回施工で効率的
■経済的・コスト削減進入路・重機足場が不要で低コスト

建設機械の労働災害を撲滅する取り組み

建設機械作業時の労働災害は、平成15年から平成17年度の3年間に亘り1,979件にも及んでいます。
(※中央労働災害防止協会統計:労働私傷病報告による)

この傾向は近年においても同様で、平成30~令和2年の建設機械作業時の労働災害発生状況は、毎年1,200件以上も発生し続けています。
(労災発生状況:厚生労働省「労働災害統計」より)

これは他業種の労働災害と比較し圧倒的に多い数字となっています。
今日では、安全パトロールの実施やKY活動の充実、 労働災害をゼロにする活動が盛んになっていますが、なかなか効果がみられないのが現状です。

こうした状況から、労働災害の撲滅と、機械化による効率化の両立を目指し開発されたのが、高所・急斜面での作業を遠隔操作による無人化でおこなう「セーフティークライマー工法」です。

平成30年度
平成31年度
令和2年度

標準設置概念

独自のワイヤー技術により縦横に自在に動きながら、重機の周囲360度を掘削できます。

縦横無尽に動くケンファイター
*工法特許取得(特許第3788480号/第3788481号/第6627905号)

従来(人力土工)の工法との比較

従来工法(人力土工)

人力工法
従来工法(人力土工)は、従来の掘削機による危険度の高い高所作業や、急斜面の切り崩し・掘削・整形・既設モルタル取壊し作業を、人力にて施工する工法である。

経済性

工程規格単位数量金額
人力のり切工レキ質土4003,588,000円
人力斜面整地レキ質土600582,000円
人力運搬工距離20m4002,260,000円
合計6,430,,000円

効率性

47.5日間
5人編成

優位性

長所
  1. ロープ足場での作業であるため、高所及び狭い箇所での施工が可能である。
短所
  1. 施工に労力と工期を莫大に要する。
  2. 大きな転石の除去時に周辺の地山の抜け落ち等により危険性が高い。

セーフティークライマー工法

ケンファイター
セーフティークライマー工法(SCM)は、 従来の掘削機による危険度の高い高所作業や、急斜面の切り崩し・掘削・整形・既設モルタル取壊し作業を、ラジコン操作により迅速かつ安全に施行する工法である。
【条件】
・斜面幅40m、斜面勾配45°未満(掘削土砂が斜面下まで一度の)掘削では流下しない)、レキ質土
・高所掘削機械は無線操作(無人)として試算、労務単価:山梨県、端数は調整済

経済性

工程規格単位数量金額
アンカー設置・撤去工立木箇所4480,000円
アンカー確認試験工立木箇所4140,400円
地山掘削工レキ質土4001,320,000円
法面整形工レキ質土600690,000円
段跳 (だんばね)レキ質土400580,000円
合計3,210,400円

効率性

13日間
(5人編成)

優位性

長所
  1. オペレーターは離れたところからラジコン操作のため安全である。
  2. 機体はワイヤーで吊っているため危険箇所も安全で足元が崩れてもワイヤーで安心である。
  3. 法肩までワイヤーで機械を吊り上げるので、搬入路や重機足場が不要である。
  4. 法面勾配70度までの掘削作業やモルタル・コンクリート面の取壊しも迅速かつ安全である。
短所
  1. 高所無人掘削機「ケンファイター」の搬入路が無い箇所での施工は別途対策が必要である。
  2. 立木アンカーの無い箇所での施工は、別途アンカーの設置が必要となる。

ICT活用も視野に

国土交通省は「ICT の全面的な活用(ICT 土工)」等の施策を建設現場に導入することで、建設生産システム全体の生産性向上を図り魅力ある建設現場を目指す取組み「i-Construction(アイ・コンストラクション)」導入を推進しています。

セーフティークライマー工法では、今後ICTの標準搭載機の常備も視野に入れています。
また、将来的に3次元データにより、ICT建設機械を自動制御し、建設現場のICT化への貢献を目指しています。
詳細はお気軽にお問合せください。